夜の街 night the city?

西ケ谷  2008-08-16投稿
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俺は周りを見渡した。どこかし等もキャバクラと案内所のオンパレードである。帰る居場所がないサラリーマン達が案内所から笑顔で出てくる。いい女でも見つかったのだろうか。悲しい男の性である。健司はそのまま進み、右に見えてきた第一ビルと書かれた建物に入った。エレベーターに乗り、5階を押した。上を見ると5階はセクキャバ〔アルハディア☆〕と書かれている。エレベーターが五階に止まり、扉が開いた瞬間、中の静熟な雰囲気が一気に激しい音楽でぶち壊された。俺はアルバディアと書かれた薄い扉を開けた。より一層音が大きくなった。中は真っ暗で激しい音楽とミラーボールが出す光が交じり合っている。とっとと用を済ませて帰ろうと思った。
「いらっしゃいませ〜」と満面の笑顔で店員が中から出てきた。丁度その時ミラーボールの光が俺の顔に当たった。瞬間店員の顔が満面から絶望えと変わった。俺は話そうと思ったが音がうるさすぎて話そうにも話せなかった。その空気を読みとったのか、店員が来て「こっちにどうぞ…」と普通では聞き取れないぐらい小さな声で言い、俺を奥の部屋に連れてった。奥の部屋に行く途中休憩室に入り、店員が「12番のお客さんご指名だよ、あかりちゃん」と言った。
休憩室には八人の女がいて、皆煙草を吸ったり、携帯をいじったりしている。殆どが金髪で顔は整っている。その中独りだけ黒髪の女が立ち上がり、「は〜い」と元気ありふれた声で店員に言い,洗面所に向かい、うがい薬のようなものを口に含み吐き出した。誰かに似ていると健司は思った。気のせいか。
女は準備が終わったら部屋を出て行った。俺達は休憩室を抜け、奥の通路にある扉を開け,中に入った。扉が閉まった瞬間一気に静かになった。ここは防音室である。中には2人ばかりの店員がいて、ガラス窓の向こうに見えている光景を見ながらニヤニヤしていた。俺は後ろから覗き込んだ。2人の定員は俺の顔を見ると、俺を連れてきた定員の顔を盗み見て、何も言わず部屋から出て行った。俺は先程の店員達が見ていた窓を見た。外ではソファがたくさん置いてあり、その何カ所かを男と女が座り、2人で絡み合っている。女達は胸をさらけ出し、男達は胸を掴み乳首を舐め回している。醜い光景である。中には何もせず、話し合っている奴らもいる。俺は端のソファで絡み合っている男女を見た。先程出て行った黒髪の女であった。



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