銃には何かが刺さっていて銃口をそらした。それが涼子の命を救った。次の瞬間、涼子の前の鬼には首が無くなっていた。首の無くなった体からは血が大きく飛び出していた。
「おい、そこの女!こっちに来い。」
血を浴びた涼子の手を一人の日本人男性が掴んだ。
呆然としている涼子を男は近くにあったジープに乗せて、走り出した。
しばらくして森の中に入り、小さな山小屋に着いた。男は涼子を小屋に入れ、扉を閉めた。
「おい、女。あんなとこで鬼なんか助けてどうするつもりだったんだ。」
男は涼子の肩を掴み、激しく揺さぶった。しかし涼子はよくわからない声を出すだけで答えようとはしなかった。男は聞くのを諦めたようで肩から手を離した。「今日はもう寝ろ。幸いまだ初日だし、ここまで鬼も来ないだろう。」
男は涼子に毛布を被せ、寝かせた。そして涼子はそのまま眠りに落ちた。四部へ