初出場の試合に完敗した僕は、次の試合に向けて益々練習に励むことになった。
和室でプロレスしていた頃の僕からはとても想像出来ない姿だ。
コーチの号令や言葉口調も激しくなり、きつい叱責を受けることも度々あった。
『コラーッ!お前!
甘いんだよ』
『やる気ないんなら帰れ!』
でも、このコーチについて行けば必ず勝てる。
絶対強くなれる。
そう信じていた。
〜そんな時〜
5人の女子高生が道場に入門してきた。
今でこそ、メジャー化している女子レスリングだが、その当時は、男子にも増して更に地味だった。
可愛い女子高生のイメージとはかけ離れて感じられたのか、
変わり者扱いする声も少なくなかった。
でも今日の発展の原点は、ここから、始まっているのだと僕は思う。
これからこの5人の女子高生たちとデットヒートを繰り広げることになるのだが。
母親
『女の子がやってんのんかいなー』
『気ーつけたりやー
怪我さしたらあかんでー』
でも、そんな母親の心配は全く無用だった。
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