私は、物心つく前に、東京タワーへ行った事があるのかは、定かではない。
1996年の春、当時20才の私は、東京へ出てきた。映画やテレビの、撮影の仕事をするためである。
2007年の5月、私は、とある情報番組の仕事で、初めて東京タワーに昇ることになった♪
東京タワーは、5年に1度、ペンキの塗り替え作業があり、この時が、(お色直し)の年、その様子を取材するのだ。
取材当日の夕方、私は、クライアントの技術会社へ行き、そこのクルーさんと一緒に、撮影機材の準備をした。
この取材は、2班のカメラクルーで行うものだった。
1班はタワーに昇り、ペンキ塗り替えの作業を取材。
もう1班は、望遠レンズを使い、タワーを、離れた位置から、客観的に撮る振り分けである。
私は、昇る方のクルーだった!
もう1班は、私が所属する事務所のクルーなので、(望遠レンズを現場で渡す)と、連絡した。
…同日23時50分、まずはタワーの前で待機、タワーの照明が、零時ピッタリに消灯する様子を、レポートする為である。
タワー消灯後、いよいよ塗り替えの現場へ…
…がらんどうの一般客フロアから、業務用の階段を上り、作業現場に到着した。
私は音声スタッフなので、レポーターや、取材対象者の声を録る時は、無線マイクを使うのが常なのだが、ここは、全国へ電波を送る塔、無線マイクは使いものにならなかった(笑)ので、ガンマイクを多用した。
そもそも、現場には、落下物(ペンなど)は、持ち込み禁止であり、しゃべりながらの作業も禁止なので、それでいいのだった。
東京タワーの見事な色は、航空法で定められた、インターナショナル・オレンジという色だった。
…この日(夜)の作業は終了、夜が明けてきた…。
ところで、この(お色直し)の現場に、撮影クルーが入ることができるのは、この時が最後の機会であった…。
…半年後、私は、芸能番組の仕事で、映画(続・3丁目の夕日)の、舞台挨拶を取材した。
この映画は、1作目と同様、東京タワーがモチーフになっている。
3丁目とは、愛宕近辺だろうか?…映画のラスト、主人公の家族達は、近所の、完成間もない東京タワーへ昇った。
私も、高さ250Mの現場からみた、朝日の中の都心の景色は、一生忘れないだろう…。