女の意外な発言に驚いたあたし。
だけど迷う事なく
それを飲んだ…。
この人ならあたしを助けてくれる…。
そう思った。
女の家はそれほど広くもなく狭くもなく
あたしはなんだか好きになれるような気がした。
『ねぇ,名前何て言うの？』
あたしはやっと女に聞く。
『レイだょ。あんたは？』
『あたしはえり…』
レイは着ていた服を脱ぎ
寝巻に着替えた。
『これに着替えな。』
荷物をほとんどもってこなかったあたしに
レイは寝巻を差し出した。
風呂を貸してもらい
あたしはそれに着替える。
寝巻なんて…何年ぶりか…。
少し暖かくなっていた寝巻に身をつつみ
あたしは声をださずに泣く。
お母さん…あたしもう戻らない…。
目を覚ますと朝の10時だった。
あたしはもってきた服に着替えて
バイトに行く準備をした。
レイはまだ寝ているようなので
静かに部屋を後にしようとすると
『行くな…今日は休みな？』
と言うレイの声が聞こえた。
あたしは静かにうなずいた。
今日は…レイといたかった…。
バイト先に電話をした後
レイが聞く。
『えり 彼氏は？』
『いないよ。人なんか愛せない。レイは？』
レイは答えなかった。
かわりに
『今日集会くる？』
集会とは…暴走族が集まるあれ？
『行く…。』
レイが生きてきた道を
あたしは知りたい。
夜
あたしはまたレイのバイクの後ろに乗り
闇の道を走り抜ける。
続。
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