僕らは今、名もない国の誰も知らないような森の中で静かに暮らしている。家の中にあるのは僕らが食べる食料と調理用具、線香花火だ。
アイは普段生活しているときは余り反応することはないようになった。しかし線香花火に火を付けると僕の名前を思い出すようで僕の名前を叫ぶ。そんな生活が続いているとある日アイは病気になり亡くなった。アイは最後まで線香花火を離さずに僕の名前を言っていた。
僕はアイを家の近くに埋めた。そしてその上には線香花火を二本備えた。一本はアイのため、もう一本は僕のために備えた。そして僕はアイの墓の上でこの世を去った。