LOST

アヤカ  2006-06-02投稿
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暗く長い軌の奥から、止まることなく響く足音。一つ、二つ、それは近付きもせず、遠ざかりもしない。ただ、奥行きの無い空間の、静けさを保つのは・・・・

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
目に映らぬ広き場所、突如として「存在」が訪れた。四体、違う容姿を持つ「存在」だった。
何から成ったのかは分からない。彼等は、自分達のその存在の状態をそれぞれ名付けた。
1人は「極」、1人は「死」、1人は「生」、1人は「堕」。
彼等に「意識」が生まれた瞬間、彼等の内外に空間が生まれ、同時に彼等四人の他にも「存在」が現れた。そしてその「存在」達もまた、己のことを名付けたのだった。


初めて「存在」が成ってから長い時が経ち、古い話となっていた。ここは、自己を「死」と名付けた最初の存在、「綺月斬羅琉暗」の意識の空間。通称『冥界』。ここに住まう存在達は、自分達のことを「死神」と呼んでいる。
彼等死神には、使命とも言う職があった。「存在」は個々の魂を持つ。そして魂は、四つの空間を行き交い、循環している。通常、魂の状態にならなければ異空間へ行くことは出来ないが、能力を持っている一部の死神達はそのままの姿でどの空間へでも行くことが出来るのだ。死神達は、それを利用して魂の管理を職としていた。

その業務を取り仕切るのは死神本部〈デッドセロ〉。
「藤川、出張任務の位置が決まったぞ。」
第2分隊の副将補佐、香田全が言った。藤川と呼ばれたその少年は立ち止まって振り返った。



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