エリザベスドール(27)

ぐうりんぼ  2008-08-21投稿
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「フレデリカは僕と付き合おうとして、人形の怒りを買った」

ルークの見方である。
「そうだ」

「何て事を…、殺す事はないだろう…」

エリザベスの非情な行為に、ルークは強い憤りを感じるのだった。

警部は注目する。

「君はよっぽど…、人形に好かれているんだね。
しかも、1人占めにされようとしている」

「…」

内心、複雑な気持ちのルーク。

「君自身はどう思ってる?」

「人形から好かれる事自体はどうもありません。
だけど、その為に犠牲者が出るのは嫌です」

「だろうね」

「警部、何とか人形を探し出して説得したいと思っているんですが…、人形の居場所が分からなくて」

「君のウチには来ないのかな?」

「全然。警察の方で捜索して欲しいと思っているんですけど」

「今、市内全域に緊急配備を敷いて行方を追っているよ。
君のウチの周辺にも、私服の警官を張り込ませているから。
もし人形を見つけたら、彼らか私の方に連絡したまえ」

「分かりました」

そこへ、係員がやって来た。

「モグレ警部、聴取終わりました」

「ああ、ご苦労」

係員の後ろに付いて来ているディック・ブラウンにルークは視線が行く。

随分と暗い表情をしている。

ルークは話しかけてみようと歩み寄ったが、警部に止められた。

目の前を通り過ぎて行くディック。

横にルークがいる事も、気付かないようだ。

警部が話しかける。

「今は話しかけない方がイイ。ディック・ブラウンはフレデリカが人形に襲われるのをずっと、見ていたんだ。
しかも彼自身も人形に襲われているからね、かなりショックを受けているみたいだ」

「…」

ルークも暗い表情になって、ディックの後ろ姿を見届けた。


つづく

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