サンニン

兄さん  2008-08-21投稿
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 「ここにヒロヤガッツ隊を結成する!!」
 当時8歳の俺は天高く響くような声を小さな空き地にちらばせた。
「なんでヒロヤ中心みたいになってんだよお」
さっそくブーイングを鳴らしたのは菊地薫(きくちかおる)。少し女っぽい名前だがこいつの股にはちゃんとした立派なもんがついている。
「結成を決めたのは俺なんだから、リーダーは俺!だから俺の名前がつくのは当然だ!」
俺は威張りに威張り散らした。特にガキ大将というわけでもないが、この時はワクワクして胸が踊っていたのだ。
「じゃあさ、僕ら三人の名前の頭文字をあわせてみれば、なにかいいチーム名になるんじゃない?」 
ほぅ、なるほどぉ。と納得させたのは大野有八(おおのゆうぱち)だ。こいつは小さい時から頭がキレた。背は低かったがみんな一目置いていた。
「ええと、ヒロヤのH、カオルのK、そして僕のY・・・・。」
ゆうぱちが地面に棒切れでアルファベットを書いた。習ったばかりのぎこちないアルファベットを。
「HKY、KYH、YKH・・・・どうならびかえてもなんかビミョーじゃないかなあ、これ。」
カオルが不満をもらす。俺も同感だった。ひねりもなにもないなんて。

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