啓吾と怜は、閉じていた目を開けた。
「沙羅さんっ!」
2人は、沙羅たちのそばに行く。父親は静かに目を開けた。
「私は、どぅしたというのだ・・・?」
青ざめていた父親の顔はとても顔色が良くなっていた。
「沙羅さん・・・沙羅さん」
怜は、沙羅の体を何回もゆすっている。だが沙羅は目を開けない。
「怜・・・」
「何で、こぅなるの・・・?」
怜の目から涙がこぼれた。
「こんな優しい人達が死んでいくの?」
「それを防ぐために俺達はココに来たんだろ?」
啓吾は、落ちている悪夢玉を拾って言う。
「早くコイツを壊しちまおうぜ」
「うん」
怜は、手のひらに電気をこめる。そして、闇夢玉めがけて電気を放とうとした・・・。
「うっ・・・―――」
だが、辺りがピカッと光って周りが見えなくなった。
「・・・」
啓吾たちは、目を開けた。
「なっ・・・!」
啓吾たちが目を閉じた間に啓吾が持っていた闇夢玉が無くなっていた。
「チィッ・・・、何処行きやがった!」
「フフフッ・・・これは頂いたよ・・・」
遠くの方からその声は聞こえた。
「そんな・・・っ・・・―――」
怜の目からまた涙がこぼれた。
これでよかったのだろうか・・・?
いいはずが無い・・・
二度とこんな擬勢を出してはいけない
誰も死なせてはいけない・・・―――。