私の本当の家族はこの人たちじゃない。
きっとこれは夢なんだ。
目が覚めたら召し使いや本当のお父さんやお母さんがいて、大きなお城の中にいる。
森にはこりすや小鳥が歌を唄いながら自由に遊んでいるんだ。
だから大丈夫。
これは全部夢・・・
私はこの世界では真緒として生きていて、いつも家でお酒を飲んで私を殴る男とその男に逆らえず、ソープで働いる弱い女と住んでいる。
ここに居場所なんてない。
私はここにいるべき人間じゃない。
これは夢だ。
だから・・・・
朝方6時。
あいつらはいつものように私の隣でセックスしている。
女は首を絞められながら大声で叫び潤んだ目で腰を必死に動かしている。
女は私を大切だという。
だから別れられないと
女は私を盾にして自分を守っている。
本当は自分だけが大切で自分だけが不幸だと思ってる ただの弱い女。
そしてこの女は男のセックスが好きだから別れられないセックス中毒。
嫌いなわけじゃないし憎んでるわけじゃない。
私はこいつらに興味がない。
なんの期待もないし、私には関係ない。
ずっとそうだったし、これからもそうだろう。
ただ、早くこの夢から覚めたい。
お腹がすいた。
もう一週間は何もたべていない。
頭がガンガンして昨日殴られた脇腹が痛くて・・・
ふと 思った。
夢だから 殺しちゃえって。
どうやって殺そう。
せっかくだから今まで殴られた痛みじっくり味わってもらわなきゃなー。
朝8時半
2人とも裸のままねむっている。
汚い姿。
起こさないようにそっと台所の開き戸から包丁を取り出す。
ゆっくりと男の上にまたがる。
ふと目をあける男。
(やばっ!)
包丁を後ろに隠す。
「なんだ。お前も可愛がられたいか。お母さんに似て淫らないい子だ。」
「うん。気持ちよくしてあげるから目閉じて」
続く。