最初の練習から三週間が経ち、翔人達はまともなチームのようになっていた。
「おーい。みんなー。」
中宮の声が聞こえ、五人が集まる。
「試合の申し込みだ。」
「うちにかよ?」修司が少し疑う。
「試合か・・今の状況を知るためには悪くない。」
大和が考え深げに言った。「それで、相手は?」
翔人が恐る恐る聞いた。
「あぁ、三鷹実業だ。」
皆が少し間を置き、大和が言った。
「三鷹って・・地区大会の準優勝じゃねぇか!!」
三鷹実業は、全国でも強豪と呼ばれる程のチームなのだ。
「デビュー戦が、いきなり強豪かよ・・」蓮悟や優哉が弱音を吐いている中、翔人は、
「いきなり三鷹か・・すっげぇおもしろそう!!」
と、少年の様な表情を浮かべ、修司も、
「相手にとって不足無しって奴だな!!」と言った。「お前が言うな!!」
大和にツッこまれ、皆が笑った。
「試合は、明後日の1時からになる。しっかりとしていこう。」
中宮の言葉に五人は力が入る。その後、再び練習が始まった。初めての試合に期待と不安を持ちながら、体育館は熱気に包まれていた。