「朝ですよ。起きてください」
耳元で甘い女の子の声がする。
「後三分・・・・。」
ここで普通なら「後五分」と言うだろう。だが、あえて二分少なくすることで起こす方を・・・・・。
「なら兄さんの朝食も私がいただきますね」
俺はガバッと起き上がった。
「すみません。朝食だけは勘弁してください」
後三分戦法の説明を心でしている途中に妹のいつものトドメの一発、いや一声で起こされてしまった。
「ふっ、いつも通りの可愛さだね我が妹よ」
「はいはい先に下にいきますから早くおりてきてくださいね」
そう言って妹の聖は部屋を出て行ってしまった。
「いつも通りのクールさだな」
俺はそうつぶやいて学校へいく支度を整えた。
俺は椎名 悠。私立茜坂学園二年生だ。
そして俺の自慢の妹の椎名 聖。一年。
小学生の頃までは一緒に住んでいたのだが親が離婚して離ればなれになっていた。しかし高校になってまた一緒に住むことになった。
それには色々事情があるのだが・・・。
それはともかく今は二人仲良く同じ寮に住んでいる。
男が女子寮に住める理由は寮の人口が少ないかららしい。
妹が戻ってきてから俺の学園生活が変わり始めていた。