自分的にホラーだと思う。
何かを忘れてぃる。
何を忘れてるのか分からないし、それが何故かも分からない。
俺は久しぶりに部屋を片付けた。
捨てる物がありすぎて、開始して10分後にやめたくなった。
それでもやらなければ、いつまで経っても汚い部屋のままだから、結局しぶしぶ進めた。やっと部屋の隅にある、本棚までたどり着いたが、フと、手を止めてしまう。
一番下の端っこに挟まっている、埃まみれのアルバムが気になったからだ。
俺、こんなの持ってたっけ…??と、手を伸ばした。
開けてみたら、溢れんばかりに、そこに挟んであった写真は、まったく覚えてない物だった。
俺と知らないオカッパ頭の男の子との写真が、このアルバムにあった。
誰に聞いても、男の子の名前は分からないし、ましてや記憶にない。
ずっと考えたが分からない。俺は掃除の続きをしながら考えたが、分からない。
だから明日、もう一回アルバムを見ることにした。次の日、ページをパラパラと、速くめくっていくと、ある事に気がついた。
口が同じ位置に全てある。
そして何か喋りかけてくるように動いてる。(めくってるからじゃない)それに、何故かいつも右側に男の子はいる。
読唇術をするようにジーッと、注意深く見ていく。
次の瞬間。俺は気を失った。
何を喋りかけているのか、分かった瞬間だ。
オカッパ頭の男の子は
『オ・モ・イ・ダ・シ・テ・ジャ・ナ・イ・ト・キ・ミ・ヲ・タ・ベ・ル・ゾ』
思い出して。じゃないと君を食べるぞ。
だ。最後の写真は、笑顔で終わってたはずなのに、目を見開いたオカッパ頭の男の子が、写真の中で俺を頭から食ってた。
気を失ったのはその時だ。
気を失ってる間中、頭の中で俺の頭を食う、バリッ、バキッていう音が、キンキンと響いた。
目が覚めたら、アルバムのなかの男の子は消え、目の前には、母さんが心配そうに俺に呼びかけてるだけ。
あ、頭から少し血が出てる。
どうやら階段から落ちたらしい。
でも、よく見たら傷後は歯型だった。
俺はやっぱり男の子の存在を思い出せないし、姿も分からない。
だって、写真にはもう俺しか写ってないから。
その後、俺の右側には何かいる。何かの気配があるのは、気のせいだろうか……
思い出せない。何かを忘れてる。