そんな風に布団の中で色んなコトを考えていたら――
『奈央〜!!奈央!!早く起きないと遅刻するわよ!!』
階下で叫ぶ母の声で、あたしは現実に引き戻された。
はいはい。
分かってるわよ。
携帯のアラームを7時にセットしてるケド、
なかなか起きれないよ。
だって寒いんだもん。
布団の中でゴロゴロしてるのが、また気持ちいいんだ‥‥。
トントントントン―――\r
母の階段を駆け上がって来る音がした。
『奈央!!』
バフッ――
母は、あたしの布団を引き剥いだ。
『いやん。さっ寒いよ、お母さん。』
『何が“いやん”なの!!さっさと起きなさい!!
今日から3学期でしょ?!』
『分かったわよ。』
しぶしぶ、ベッドから起き上がり、
あたしは、パジャマのままリビングへ下りた。
『ちゃんと朝御飯食べて行くのよ。』
『うん。先に着替えて来る。』
歯磨きと、洗顔を済ませてから自分の部屋へ戻り、
あたしは制服に着替えた。
久しぶりの制服――
新学期の朝って、
何か緊張する。
何でかな。
あっ!!ペンダント‥‥忘れちゃう!!
クリスマスに聖人からもらったお揃いのクロスのペンダント――
あたしは急いで身に付けた。
なんか‥‥安心する‥‥‥。
それから――
再び階段を下りて、
リビングのテーブルに着いた。
『ほら、奈央の好きなミルクティーと、フレンチトースト。』
『ありがとう。お母さん。』
フレンチトーストを一口かじった。
甘〜〜〜いっっ!!
『奈央。最近体の調子は、どうなの?!』
母が少し心配そうな声であたしに尋ねた。
『うん。1度急に息が苦しくなって、過呼吸じゃないのかと思ったコトがあったんだケド、そう言う事は、その1回きりだったから、大丈夫だよ。』
『本当なの?薬はちゃんと飲んでるの?!』
『うん。でも睡眠薬は、眠れないトキだけ飲んでる。』
『そう。飲まなくても眠れる様であれば、なるべくなら薬は飲まない方がいいわね。』
『うん。』