ルークはモグレ警部の運転するクルマで家路についた。
真夜中の2時半過ぎ…。
疲れと眠気が来ている。
家に着いたら、熱いシャワー浴びてベッドに入りたいところだ。
(明日は休日だし、ゆっくりと過ごせる)
…ハズなのだが、今はそんな状況ではない。
あの人形が街の中を動き回っているから、気が抜けないのだ。
エリザベスが家にいたら尚更である。
(あんな化け物人形、買うべきじゃなかった!)
警部のケータイが鳴った。
現場で張り込みを続けている署員からの緊急連絡である。
L―31号地区の界隈でエリザベス人形が目撃されたと言う。
(L―31号地区…、僕のウチの近くだ!)
ルークの緊張の思いが高まる。
警部はケータイ無線で指示を出した。
「現場周辺に非常線を張って監視態勢を強化しろ。犯人は生身の人間以上に機敏な動きをするみたいだから、安全の為に見つけてもすぐには手を出すな」
ケータイを閉じる警部。
「僕のウチに帰って来ているかもしれません」
「あの化け物人形は、君を慕っているから…可能性は大かな?」
ルークの自宅前…、
大勢の制服警官たちが周辺に目を光らせている。
エリザベス人形はこの辺りで見失ったようだ。
「警部、自分のウチに入ってイイですか?」
「私のケータイのメールを教えておくから、あの人形がいたら、メールで知らせてくれないか?」
「分かりました。その後、僕はどうしたら…」
「すぐにこちらから、メールで指示を出すから」
警部からメルアドを聞き出したルークは、緊張の思いで自宅に入って行った。
つづく