エリザベスドール(30)

ぐうりんぼ  2008-08-24投稿
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ルークはモグレ警部の運転するクルマで家路についた。

真夜中の2時半過ぎ…。

疲れと眠気が来ている。

家に着いたら、熱いシャワー浴びてベッドに入りたいところだ。

(明日は休日だし、ゆっくりと過ごせる)

…ハズなのだが、今はそんな状況ではない。
あの人形が街の中を動き回っているから、気が抜けないのだ。

エリザベスが家にいたら尚更である。

(あんな化け物人形、買うべきじゃなかった!)

警部のケータイが鳴った。

現場で張り込みを続けている署員からの緊急連絡である。

L―31号地区の界隈でエリザベス人形が目撃されたと言う。

(L―31号地区…、僕のウチの近くだ!)

ルークの緊張の思いが高まる。

警部はケータイ無線で指示を出した。

「現場周辺に非常線を張って監視態勢を強化しろ。犯人は生身の人間以上に機敏な動きをするみたいだから、安全の為に見つけてもすぐには手を出すな」

ケータイを閉じる警部。

「僕のウチに帰って来ているかもしれません」

「あの化け物人形は、君を慕っているから…可能性は大かな?」

ルークの自宅前…、

大勢の制服警官たちが周辺に目を光らせている。

エリザベス人形はこの辺りで見失ったようだ。

「警部、自分のウチに入ってイイですか?」

「私のケータイのメールを教えておくから、あの人形がいたら、メールで知らせてくれないか?」

「分かりました。その後、僕はどうしたら…」

「すぐにこちらから、メールで指示を出すから」

警部からメルアドを聞き出したルークは、緊張の思いで自宅に入って行った。


つづく

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