FUJI:side
ハチと駅で別れてから、
俺は部活に出るのをやめた。ハチに会いたくなかった。国分先輩と居るハチを見たくなかった。
心配して連絡をくれる人は居なかった。
俺は...居ても居なくても変わらない存在なんだ。
寂しい...
なんで寂しいんだ?
どうしてハチに会いたくないんだ?
そんな事を考えながら門を出ようとした時
「国分先輩...」
「おぉ、不二久しぶり。」
「国分先輩は...本当にハチが好きなんですか?」
「そんなこと聞いてどうするの?」
「国分先輩がハチを好きで今が幸せなら、俺はそれで構いませんけど...幸せじゃないのなら、譲ることはできません。」
「どうゆうこと?」
「見たんです。国分先輩を呼び出した相手...」
「...ハチに言ったの?」
「言ってません。」
「なら、そのまま黙っといて。」
「それは、さっきの答えだと受け取っていいんですか?」
「ご想像にお任せします。てか、不二は普通に恋できてんじゃん。」
「どうゆうことですか?」
「自分が一番分かってるはず。
じゃあ、ハチをよろしくね?」
俺はこの時国分先輩が言った言葉の意味が分からなかった。
でも、この言葉の意味を理解するのにそう時間はかからなかった。