「やっぱビミョーだね。」ゆうぱちまでもがため息をついた。
その時、俺のちっぽけな脳ミソは精一杯の力をこめて回転した。
アルファベット・・・・ 頭文字・・・・・
H、K、Y・・・
「わかったぞ!!ワイの“わ”、ケイの“け”、エイチの“え”をならべて・・・」
ぽかんとしている二人を無視して俺は地面にへたくそな字を刻んだ。
「“わけえ”だ!!」
二人は何も言わず、いや、何も言えなかったようで、俺の勝ち誇ったような笑みを呆れた顔でただ、見つめていた。
―――――――‐‐‐‐
あれから何年経ったろう。お調子者だった俺も今じゃ高校1年生にまで成長した。
ガキだったあのころが懐かしい。ゆうぱちとカオルと一緒に、蝉取りしたり、パチンコで早打ち競争したり、意味もなく大声だして走り回ったり・・・・・
今そんなことをしてしまったら同級生にバカにされ赤っ恥をくらうのがオチだ。意味もなく大声をだして走り回る?恥をかくどころか、不振者として警察に補導されちまうかもしれない。この差はなんだ?と思ってしまうが大人へと成長しているのだ。現実をうけとめるしかない。
まあ、別にガキに戻りたい訳じゃないが。