登校中、人通りが少ない場所で事件は起こった。
「あれなんだ?」
一人の女子高生が三人の男に無理矢理車に乗せられようとしている。
「誘拐・・・?」
俺は無意識に走り出した。
「おい!やめろ!」
「あ?なんだてめぇは」
まずい、相手は大人三人。こっちは俺と今こっちに向かってる孝一だけだ。
「消えな」
そういって一人の男が殴り掛かかってきた。
ゴスッと鈍い音をたてて吹っ飛んだ。
意識が遠のいていく。それでも女の子を乗せようとしていた男につかみ掛かる。
「やめ・・ろ」
「うぜぇ野郎だな」
そう言って一人の男がナイフを取り出した。
−その瞬間!!
「火事だーー!!」
孝一が叫んでいた。
「ちっ」
乱暴に俺と女の子を蹴飛ばして男達は車に乗って逃げていった。
「悠!大丈夫?」
「俺よりもその子を・・・。」
制服を見ると同じ学園の生徒だが見覚えがない子だった。
「あのっ、助けてくれてありがとうございます」
「いやいや、悠のおかげだよ・・・って悠!!」
「うぅ、」
正直やばい。パンチがいけないところにあたったみたい。
俺はそのまま意識が暗闇に吸い込まれていった。