「どうすっかなー」
ボスリとベッドに倒れこみそんなことを呟いたがすぐに深い眠りの中に落ちていった。
次の日、モソモソと布団から這い出た頃には日は高くなっていて飛び起き朝食も摂らず教会を飛び出した。しかし街に入り、噴水広場に近づくにつれ本当に行くのか、という思いがランスォールの脳裏を掠め進もうとする意思に足枷をかける。
ゆっくりとしたスピードで広場に着くと噴水の縁に座り足元の鳩を眺めるシーラがいた。
シーラはランスォールに気付くとこちらに向かってきた。
「来て…くれたんですか」
「あぁ、うん。」
「ありがとう。」
彼女が優しく笑った。
「時間の止まった体はもう嫌ですから。」
ランスォールは、シーラのたったこの一言で彼女を救うことを決めた。
それから二人は街の出口へと向かった。
「ラウフ…?」
柵に寄りかかりかっこつけたようにしているラウフが待っていた。
「オレは優秀な情報屋なんだ。そういう仲間は必要じゃないか?」
こうして旅は始まった。
ランスォールとシーラとラウフの三人旅が。