リリリ…
朝の目覚まし時計が鳴って、目が覚めた。
(はぁ‥朝かぁ)
泣いたから学校に行きたくなかった結衣。重い体を起こして学校に行った。
「みんな、おはよー」
『おはよぉ』
席についた。窓側だった結衣は、外を眺めていた。
「結衣、佳奈が呼んでるよ」
「え?」
廊下を見ると、手招きしてる佳奈がいた。
「今、行く」
と言って佳奈のところに向かった。
「目赤いじゃん。なんか‥あった?」
「な、なんでもないよ」否定した。
「なら、いいよ」
みんなのとこに行って、他愛ない話で盛り上がった。でも、心から笑ってない自分がいた。
キーンコーンカーンコーン
みんな自分のクラスに入って行った。授業中ボーっとしてるから、何度も先生にあてられた。
「結衣、今日どーした?」
小百合に言われた。
「どうもしてないんだけどねっ」
笑ってたけど、顔が引きってたと思う。
「そこっ!喋らない」
結衣と小百合は怒られた。
キーンコーンカーンコーン
授業がやっと終わった。
「さようなら〜」
『さようなら〜』
みんなは、さっさと帰って行った。文化部と係の人は、文化祭の準備で忙しかった。
「おい、チビ」
「なんよ、サル」
結衣とユタは、また言い合いしていた。
「仲がいいなぁ〜」
『どこがっ』
2人の声は一致した。
楽しい時間も終わって、直と帰る時間がやってきた。
「仲よく帰れよー」
佳奈が言ってくるから困った。
(好きじゃないのに‥)直といると足取りが、重くなってくる。
直と結城は100パーセント違う。外見もそうだけど。何かが違う。直といると気を使う。何か喋らないと‥って思う。
すぐに結城と比べてしまう。顔も結城がいい。背の高さも結城がいい。手も‥喋り方も‥声も‥仕草も‥すべて結城がいい。
結衣にとって結城の存在は、すごく大きくなっていた。
結局、気づいたら自分から結城にメールしていた。
結城がいないと駄目なんだなぁ…
メールしてても、結城が遠い人に感じた。だから、すぐ悲しくなる。
でも、心のどこかで喜んでいる。
ほんと、結城に弱いな‥
また付き合えたらどんなに幸せなんだろ。