山本は小さく頷いた。
「山本さん、山中敦という男をご存じですね?」
「………。」
「あなたが山中敦と会ってる所を見た人物がいます。どういうご関係ですか?」
「………。」
「質問を変えます、山中敦は桂早苗の愛人、つまり、桂明美、由美の父親ですね?」
「はい。」
「指名手配されてるのはご存じですか?」
「はい。」
「あなたは山中敦と会った事はありますか?」
…………
「はい。」
「それは二人だけですか?」
「はい。」
「具体的に聞きます、何の用事で?どういった事を話しましたか?」
「覚えていません。」
「覚えていないくらい、会った回数があるんですか?」
山本が動揺した。
「正直に答えてください。」