「ドジー博士、起きてください!成功ですよ!」
「ああ、本当だ、ずっと眠っていた。」
「早速、全国に流してもらいましょう。」
「どうやって?」
「僕の友人に、ラジオ局の関係者がいるんです。そいつに頼めば何とかなります。」
「そうだな、じゃあ、直接頼みに行くか。」
「はい!」
青木の声は、いつもに増して大きかった。
車でラジオ局まで向かう。1時間もしないうちに到着した。
「お願いだ、このCDをラジオで流してくれないか?」
青木は、必死な目をしていた。
「私からもお願いだ。この通り。」
と、ドジー博士も深々と頭を下げた。
「いいですよ、明日の22時頃にこのCDをかければいいんですね?」
「ありがとう!」
と、青木と博士は同時に声を上げた。
意外にあっさりと承諾してくれた。
放送当日、青木と博士は楽しそうに話していた。
「やっと、みんなに聴いてもらえますね!」
「ふむ、世間の反応が楽しみだな。」
「今日、ラジオ聴きますか?」
「いや、遠慮しておくよ、徹夜してやることがある。」
「そうですか、じゃあ僕も手伝います。」
「少し時間がある。テレビでもみるか。」
と、博士はリモコンを手に取り、テレビをつけた。
それから何時間かして、青木が話し掛けてきた。
「ドジー博士、もう始まりましたね、みんな今頃、快眠ですよ!」
その時、ドジー博士が、
「あっ!」
と大きな声を上げ、テレビを指差した。生放送で、街の様子が流れている。
青木は、テレビに目を向け、思わず、
「あっ!」
と、声を上げた。