目を覚ますとそこは雪国でもなんでもなく自分の部屋だった。
「いたた」
まだ痛みは完全に引いていないようだ。
「外、真っ暗だな。そして・・・。」
俺を看病してくれたのだろう聖がベッドに突っ伏して寝ていた。
「ありがとな聖」
そう言って寝ている妹の頭を撫でた。
「寝るか」
再び意識が暗闇に飲み込まれていった。
〜椎名 聖side〜
朝の休み時間、孝一さんに呼ばれて急いで寮に戻った。話しをきいた時は本当に驚いた。
寮の兄さんの部屋に行くと見知らぬ生徒の姿があった。
「どなたですか?」
私は言った。
「あっ、私、椎名さんに助けていただいた宇佐美 湊っていいます」
なるほど、兄さんはこの人を助けたのか。
「分かりました。後は私がみるので。ありがとうごいました」
「いっいえ、こちらこそ助けていただいてありがとうごいました」
彼女は騒々しく部屋を出ていった。
「まったく。世話のやける兄です」
しかし私はこんな兄が好きだ。見を張って他人を助けようとする兄を持てて幸せだった。
「私が側にいますから安心して寝ていてください」
〜椎名 聖side〜【END】