奈央と出会えたから。<202>

麻呂  2008-08-26投稿
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確かに、去年のあの事が原因で母は、あたしの体に対して過剰反応気味ではあるけれど、



でもそれは、あたしのコトを思ってくれてるってコトだから、



本当は、感謝しないといけないんだよね。





『分かった。せーり?!』



え〜っっ?!



し、信じらんないっっ。



デリカシー無さすぎるよっっ。



『さ、さぁ〜。しっ知らないよっっ!!』





あたしは降り積もった新雪の中に手を入れ、雪玉をひとつ作った。





『聖人!!』



『あ???』



呼んだあたしの方を見た聖人。



『えいっっ!!』



あたしは雪玉を聖人に向かって投げた。


ボンッ――



雪玉は、聖人の胸の辺りに力無く当たった。



『バ―カ。何も効いてねぇよ。』



クールな顔から飛び出した言葉。



『聖人って何考えてんのか分かんない。
クールなトキと、そうじゃないトキがあるし。

あ、あたしは聖人みたいに、明けっ広げな性格じゃないもんっっ。』



ムキになるあたしもあたしだけど――



『俺、明けっ広げじゃねぇし。』



明けっ広げじゃない‥‥‥の?!



『‥‥ごめん。言い過ぎた。』



『いいよ。気にしてねぇから。』



新学期早々、ケンカなんて嫌だもんね。


『ね、ねぇ‥聖人って血液型は何?!』


とっさに思い付いた話題が血液型だったんだ。



『俺?!おー型。奈央は?!』



『あたしもO型。

あはっ。同じだね。』



やった☆



聖人と同じだ♪





『‥で、何?!俺がO型に見えねーって?!』



そうやって口を尖らせて、あたしの方を見るから――



『あはははは。』



思わず笑っちゃったよ。



その顔があまりにも面白かったんだ。





『僕、3月26日生まれ。O型の牡羊座です。繊細で傷付きやすい、硝子の心の少年です‥‥って。
これでいい?!』



『あはははは。O型が繊細で傷付きやすいって、あたし初めて聞いたよ。』



何で怒ってたのかさえ、忘れちゃってた―――\r



『ほらっっ。早く行かねぇと遅刻するぜ。

また渋川にうるせぇコト言われるのまっぴらだぜ。

行くぞ!!』



『う‥‥うんっっ。』



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