俺はこの異変に気づかなければもっと楽しい一週間を送っていたのかもしれない。
だが、後悔はしていない。
何故なら、透明人間になれたからだ。
俺が体験したのは、自分の姿形を想像した通りに変えられることだ。
最初は、自分の姿を蟻に変えて巣の中を探検したり、雲に変えて皆を見下ろしたりした。
まあそれは自分の持った能力を理解し、納得した後の話だが。
そんなことはさておき、俺の体験した一週間を聞いてくれ。
一週間前・・・
俺、城間実は放課後の部活を終えて友人の黒崎亮と一緒に帰っていたんだ。
「ねぇ、やっと一週間が過ぎたね。」
「ああ。なあ黒崎、明日遊べるか?」
「うん、遊べるよ?」
「そっか。」
そんな会話をしながら帰宅した。
その時初めの異変が起きた。
眠い。眠すぎる。
まださっきまで元気だったし、何より、今は5時だぞ?
寝よう。
俺はすぐに眠りについた。