夢の中・・・
「貴様に力を与えた初日、我が輩は一週間しか力を与えないと言った。」
そう神は言った。
俺は元々、力など望んでいなかった。
人とは、欲望があるから、理性を保てる物だと思う。
俺が理性を失わなかったのは、奇跡に等しい。
「こんな出鱈目な力なんか望んでいなかったんだよ。」
「そうか。我が輩のミスだったな。」
そう言って神は笑った。
「我が輩の狙いを教えてやろう。」
俺は、俺に力をくれた本当の理由を聞いてみたくなった。
「それはだな、この世に恨みがあるからだ。」
俺は耳を疑った。
「それは、俺が世界を滅ぼしてくれると思ったからか?」
神は、笑ったままだった。
そこで目が覚めた。
急いで指をナイフになるように想像した。
ならない。
俺は戻った。
普通の人間に。
歓喜していると、俺の家のベルが鳴った。
どうやら黒崎らしい。
部屋にあがるなり、いきなり
「見てて!!」
と言って
手を差し出した。
特に変わった様子はない。
「どうしたんだ?」
しばらくして
「ううん、何でもない。」
と言った。
この光景、何処かで見たような・・・
そんな気がしただけである。