ファーストグレイ

よっしん  2006-06-03投稿
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好天の元、阪神競馬場内の芝は綺麗な緑を映し出している。G1開催週でも無い日曜日で、1R発走前とあって今のところ観客の少ないゴール前の芝生に、陣内という、若いというには少し世成れた風の男が金網に肘を乗せて本場馬内を眺めていた。競馬場に来ているからといえ、一角千金を狙って馬券を買いに来た訳では無い。そもそもギャンブル自体好いた事はない。
三年前、まだ大学在学中の夏休みにアルバイトした牧場の馬が、この日行われる新馬戦に出走すると聞いて応援に来たのである。
「ファーストグレイ」と名付けられた芦毛の若駒で、良血という訳ではない、だが馬体の良さが馬主の目を引いてソコソコの値段が付いた牧場の期待馬だった。
しかし入厩前日牧場の厩が不審火で火事となり、ただ一頭ファーストグレイだけが焼死寸前逃げ出して生き残ったものの、残りの馬は全滅、小規模だった牧場は経営不能となってファーストグレイは隣の牧場へ引き取られる事となった。

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