【あげは】:雲は人のため息の数だけ出来るからだ…
【わんこそば】:ため息は増えすぎると雨になって人に返る。
僕はいつも雨をそう考えていた。
わんこそばは僕でありその他の人も恐らく…僕だ。恐怖感は感じなかった、全ての考えの後にたどり着くのは疑問だった。
【あげは】:君たちは僕なんだろ…?
【わんこそば】:正確には僕は君じゃない。様々な分岐点によって別れた君なんだ。
だから僕は医者になった君で、スープラは銀行員になった君、あおは宝くじを当てて億万長者になった君だったりするんだ。
理解出来ない…なんで自分が違う自分とコンタクトを…?
段々とわけがわからない話になってきたな。
【わんこそば】:インターネットというネットワークを通し偶然にもつながった。
【あげは】:…意味がわからない。そんなことありえないよ…
わんこそばは僕の言葉を無視し、続けた。
【わんこそば】:だけど、僕らには共通点がある…
「みんな死んでるんだ」
混乱が混乱を呼び理解出来なかった。
じゃあ僕は…?
途端に息苦しくなった。
胸がひどく痛い…頭が割れそうだ…
そっと腹部を見ると血まみれで手は生温かな赤色に染まっていた。
…気付きたくなかったな。