あの怒涛のような一年はボクが産まれてからはじめての事だった・・・あの記憶は悪夢でもあり大切な想いででもある。でも、あの時あの場所であの娘に出逢えていなかったら、本気でありがとうと、いえなかっただろう。
?春?
さくらの花びらが散る並木通り一人歩くボクがいる。ボクの名前は竜『りゅう』今年の春から高校生。
この時はまだあんな出来事が起こりうるなんて心にもなかった!
学校に着くと何かざわついている!なにかとみにいってみた。なんとそこには、クラス表が掲示板にはってあった!『あわててみにいくんじゃなかった?』ボクはA組だった!どっちかと言うと、C組が良かった『意味はないけど・・・』そして教室に入って見ると、何と男ばかりだ!男子校だった!これは夢?
どうりで、入試の時に男が多かった筈だ!ボクがこの学校を選んだ理由は通学路の桜並木道が綺麗だからだ!入学式がはじまったが、見渡す限り男、男で早く終われと願いながら時がたつのを待つ。式が終わり教室に帰ると、やっぱり男まみれだ。一番後ろの席にすわり外をみてみると、あの綺麗な桜並木がみえる!席はここにきめた。誰がなんと言おうとここがぼくの席だ!本当はあいうえお順で伊藤の席だった。ホームルームも終わり、今日は帰宅だ。またあの桜並木道を通ってかえれる。
桜並木を歩いていると、桜の木が一本揺れている。桜吹雪の中1人の女性が降りてきた『コイツはチンパンジーか』と思いながら一撃桜の花びらが可哀想じゃないかと言うと。振り返ったその女性は眼に涙をうかべ何も言わずにその場をさっていった。これがボクとあの娘との初めての出逢いだった。それから、一週間同じことをして何も言わずに去っていく。その時眼には涙が・・・?そして日曜日並木道で桜を見ていると、あの娘がきた!今日こそはと思いちかずくと、また木に登ろうとしている!やめなよ!と言うと『私、桜嫌い』と言って登ろうとする!手を引き止めさせた!詳しく話しを聞こうと問たざすと、また涙をうかべ僕に抱きつく、ぼくは、急な出来事でなにもできなかった。そして彼女は何も言わず去っていく。