――2009/8/31/――
あたしはひどく暑い中バスを待っていた。
「去年は涼しかった頃なのに今年は異常ね…」
隣にいた【ゆーた】に話かけた。
「確かに、秋はいつになったら来るんだか。」
ゆーたはあたしの恋人、もう付き合って4ヶ月になるかな。
でもあたしなんで好きになったんだろ?格好いいわけでもないし、ぜんぜん普通の男なのに。
向こうはあたしをどう思ってるんだろう。
20分ほどしてやっとバスが停まった。
「じゃ俺帰るで、また―!!」
あたしがバスに乗ろうとした瞬間、突然腕を引っ張り思わず倒れそうになった。
「―ちょっ…なにする…」
言葉を遮るように彼は叫び走り出した。
「いいから来い!」
彼の顔はいつになく真剣で少し身体は震えているようにも見えた。
あたしは、引っ張られるまま走りバスから遠ざかっていった。
そして、とある神社の境内にてやっととまり、崩れるようにへたりこんだ。
「見たか…めい、さい…」
あたしは息を整えながらきいた。
「何の話…?」
彼は少し間をおき、落ち着いたのをはかってから答えた。
「バスの中、銃を持った迷彩柄の服きた人だらけだった。」
「迷彩??ファッションじゃないの?」
「そんな雰囲気じゃないよ。本当に、ただ怖かったんだ。」
ミリタリーオタクのオフ会でにも出くわしたんだろうか?あたしは気付かなかったけど…
結局家までは、彼が自転車で送って行く事になった。
しかし、帰り道に奇妙な事に気付いた。
車が走っていない…それどころか人すら歩いていないのだ。
まだ昼間の2時だと言うのに空は赤く街もそれによって染められていった。