やはり今では公衆電話はあまりり使う人がいなくて、数日がたった。
ようやく一人の若者が「恵美」を使いに来た。
「携帯充電きれちゃって〜」若者はたわいもなく話している。
恵美は念じた、しかし何も起こらない。
恵美は「そうだ!」と思い出し「交代」と言おうとしためらった。
自分が言えばこの人が犠牲になる。…でも私だってこのままでは…恵美は決心した。
「…交代」
恵美の視点は変わっていた。
動く、視点は動いていた。
しかしすぐに暗闇に包まれて異変に気付いた。
携帯に移動しただけだった。
恵美は壊れはじめていた。
それから恵美は何度も何度も「交代」をつぶやいたがまた違う携帯に移動するだけだった。
今日も誰かの携帯で、恵美は絶望に悲哀、怨念を含ませたような声で「交代」とつぶやいている。
特に、深夜けたたましく鳴り響く電子音には注意してほしい。