サンニン

兄さん  2008-08-28投稿
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『なんか、ヒロヤんちらしいな。』
『そうかな?』
ゆうぱちはまた軽く笑うと、深呼吸をゆっくりとした。
『ヒロヤはヒロヤが正しいと思うことをする。俺も俺の正しいと思うことをする。そういうことだな。』
顔は見えずとも、笑顔をしているのがわかった。
『ああ。これは、仕方ねぇことだ。』  そう言った数ヶ月後、俺たちはそれぞれの高校に入学したのだ。
 幸いなことにカオルと俺は同じクラスだった。
 だが俺は人と接するのが苦手だ。だから知らない人たちの中で1人だと、俺は口をつぐんでしまうタイプなのだ。なかなか心を開けないシャイボーイなんだ、俺は。
 だが教室がカオルと同じとは言え、席は離れている。これは猛烈に寂しかった。俺は赤ん坊か。と自分でツッコミたくなったがそれが素直な気持ちなのだ。猛烈に寂しい。
 そんな孤独な心情の俺の視野に入ってきたのは、ある、女子だった。
(は、林田・・・・)
彼女は、それはもう魅力的な微かな笑みをして、他の女子と話していた。
 林田瑠璃(はやしだるり)。中学校が同じだったがあまり話したことはない。 中一の時、席が隣になって、それが最初で最後の触れ合いだった。



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