「あー紹介するよ。目付きの悪いのがランスことランスォール。で、美人のかわいこちゃんがシーラ。」
「いつも思うんだけどアンタの紹介ってあんまり役に立たないわね。」
情報屋リタが間髪入れずツッコミを入れた。
その様子からラウフがいかにいい加減かがわかる。
「おーキツッ。
あーっと、で、こいつがオレの信用するオーウェンの情報屋、リタ。」
よろしく、と差し出された手を握り合った。
「コイツから大体の話は聞いてるわ。
あらゆる呪いや邪悪を打ち消す3つの秘宝…よね。」ええ、とシーラは頷く。
「残る秘宝が剣と盾って事も聞いてる。
それで調べて見たんだけど…」
何故か緊張からランスォールがドキドキして息を飲んだ。
「剣も盾も、ある家の家宝になっているわ。」
「ある家の…家宝?」
テーブルに置いてあった紙に目を通しながらリタは続けた。
「このオーウェンから東、咎伽<コウガ>の森を抜けた先の小さな村トーレの御神<ミカミ>家の家宝に剣があるわ。」
この先の旅に少しの希望が見えた瞬間だった。
「…盾は?」
リタは首を横に振った。
「盾が同じ場所にあるとは思えない。でも御神家が所有しているのは確かよ。もしかしたら分家にあるかも知れない。」
情報屋リタからの情報を頼りに三人はトーレの村を目指すことにした。