【鍵?なんか妙だな…】
「確か今の奴も鍵だったよな……ん?でも繋がらない?…ちっ…ハズレかよ」
「…何がハズレだ!人を何だと思ってんだ!」
「そう力むなよ…『鍵』は邪魔なんだ」
【おい…レン!何かヤバいぜ…こいつ】
「大丈夫…さっきの奴、大切だったんだろ?…すぐに会わしてやる」
男が笑いながら右手を挙げると、その右手に先程の巨大な火球が溜まっていく。
【黒竜じゃなくてあいつが撃ってたんか!…ていうかレン!逃げろぉぉぉぉ!!】
しかし、レンは呆然と立ち尽くしている。目の前で、人が死ぬ。レンにとっては初めての体験だった。口では潔く言えても、体は正直だ。震えが止まらない。
【おい!レン!…レン〜!!】
男の手から、火球が放たれる。レンは、狗斬の呼び掛けにも応じず、逃げようとしない。火球がレンに当たる。しかし、それより先にレンと火球の間に、巨大な剣が放たれた。巨大と言っても、放たれた火球に比べれば小さく見える。それでも、深々と地面に突き刺さった大剣は、自身の何倍もある火球を受け止め、消滅させた。
「レン君!助けに来たでござる!」
「派手にやられたなぁ?」
「無事でなにより」
「ぼやっとするな」