弾かれたボールは大和に渡った。大和はボールをつきすぐさまゴールへつっこんだ。
「させるか!」高木のブロックをかわすように大和はバックパスを出した。
「ナイスパス!」
翔人がシュートを決める。高木は急いでボールをつき攻めにまわった。
「この場合、アウトサイドしかねぇ。」高木が出したパスを大和はカットする。「アウトサイドに出すの見え見えだぜ!!」
大和は速攻に行こうとしたが少し緩め形を作る。高木は大和がバックパスのモーションに入ったのを見て、「同じ手をくらうかよ!」と言ってカットにいくと、ボールは目の前でバウンドしたのだ。パスされた修司が3ポイントを決める。
「最初にバックパスで、オレを意識させて、同じ動きからバウンドバックパスを出しただと・・?」
高木は驚きを隠せない。
序盤とはいえ、5‐0で西条にリードを許してしまったのだ。
「高木。頭使わねぇとオレには勝てねぇぜ!」
大和の自信に満ちた表情は、翔人達に安心を与えていた。