「ライブハウスに着いたわけですが」
意外に人が多い。インディーズだからあんまいないだろうというのはあまかった。
「ほらっ、さっさと行く。席とれないかもしれないわよ」
そして俺達四人は初めてのライブハウスに入った。
「兄さん、前の席空いてますよ」
「お、ほんとだ」
全員席について始まるのを待った。
「スターガールズは二番目みたいだね」
孝一が俺に言ってきた。
「結構早いな」
「そうだね」
喋っていると激しいギターの音とともにライブはスタートした。
ライブが始まった瞬間、俺は何故前の席が空いていたのかを悟った。
「凄い音だな」
俺の声は演奏にかきけされていった。
俺達以外の客はすごくテンションが高かった。
一番手の演奏がおわると曲の余韻が頭に残った。
「すげーな、孝一」
「うん、そうだね」
聖と奈緒先輩はまだボーッとステージを見ていた。
そしていよいよ『STAR GIRLS』の番がやってきた。
そして俺はメンバーを見て目を疑った。
「おい、あれって」
「宇佐美さんみたいだね」
なんとヴォーカルの位置に昨日茜寮にやってきた宇佐美 湊の姿があったのだ!