奈央と出会えたから。<205>

麻呂  2008-08-31投稿
閲覧数[617] 良い投票[0] 悪い投票[0]


この日も何時もの様に聖人と一緒に登校したんだ。



あたし達は、たわい無い話をしながら教室へ向かった。



『‥でね、聖人、それでね――』



『おぅ。』





ガラッ―ー‐



聖人が教室の扉を開けた。



この日の教室は、何時になく重苦しい空気が漂っていた。



バンッ―ー‐



何時もの様に、自分の席に乱暴にカバンを置く聖人に、



斜め後ろの席に座っていたタツヤが突然、吐き捨てる様にこう言ったんだ。



『アツイアツイ!!真冬だというのに、おかしいなぁ。

今日はアツイねぇ。
こうやって目の前でイチャつかれるとよぉ。』



タツヤは挑発する様な、さげすんだ目付きで聖人を見ていた。



『‥んだとコラァ。』



聖人は、キッとタツヤを鋭い目付きで睨み付けた。



あたしは、聖人に歩み寄り、



また、前みたいにケンカになってはマズイと思い、



なんとか、この場を治めようとしたんだ。



『聖人。やめよう。タツヤには言わせておけばいいじゃん。』



あたしの言葉に、聖人は何の反応も無く、



ただ、タツヤを睨み付けている。



聖人は、たえていたんだ。



何とか怒りを鎮めようと、



気持ちを落ち着かせようと、たえていたんだ。



この後に続くタツヤの一言が無ければ、


それで、この場は治まっていた筈だった。



なのに――



『聖人君。今日は、どうしたの?!

元気無いなぁ?!

僕、張合い無いよ?!

昨日は、ヤリまくっちゃった?!

3発?!4発?!

それとも5発?!

体力消耗激しいから、エッチは控えめにしとかないと!!

ひゃっはっはっはっっ!!』



タツヤ――



酷い――



何でタツヤにそこまで馬鹿にされなきゃならないの?!



クラスメイト達の視線は、みんな――



聖人とあたしに集中している――



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
小倉優子プロデユース
画期的なパウダー♪


▲ページトップ