今、ライスは叔父一家と言った。…という事は、やはり誰かが助けたのか。しかし…そうなると…―\r
リグラは素早く考えをまとめあげようとしたが、ある違和感が頭をよぎり、首を傾げた。
とにかく、会って話をせねば。まずは、それからじゃ!―\r
リグラは椅子から立ち上がると、急いで宰相府から出て行った。
応接室に通されたライルとセイル一家の五人は、リグラと向かいあう形で、椅子に腰掛けていた。
「ようこそおいで下さいました。私はこの国で宰相を勤めています、リグラと申します。以後、お見知りおきを…」
リグラはそう言って、恭しく頭を下げた。
「宰相…!」
まさか宰相が出てくるとは、思ってもみなかったのであろう。ミリスは思わず声を出してしまった。
「ロイ君達の保護を決定したのは私ですからね。ですから、私が直に貴方達に会わなければ、礼儀に反するでしょう?」
リグラはその気持をすぐに察して、にっこりと微笑みながら、言った。
「あの…それで…ロイは…?」
ライルは緊張しながら、リグラに尋ねた。
「先ほど連れてくるように命じましたので、まもなくこちらに来るでしょう。…その前に一つだけ、セイルさんに尋ねたい事があるのですが…」