年下の私から見てもちょっとこどもっぽい所もある中澤先生は、生徒や先生からの人気も上々だった。
私が実習中にお世話になった国語科の澄田成美先生も、娘さんと同じ年なので中澤先生のことはかわいがっていた。
中澤先生の机のお菓子はたぶんほとんど澄田先生があげていたものだ。「若いんだから、沢山食べなよ。」というのが口癖だった。
そのせいか学校に赴任してきてから中澤先生は少し太ったらしい。
少しくらい太った先生も素敵だ〜！！でも痩せてた先生もきっと素敵すぎるよ〜！！と頭の中で若干暴走して、ふと我に返った。
目の前には教員採用試験のテキスト。
あともう少ししたら試験日なのだ！目の前の美優もいつのまにか真剣に一般教養の勉強を始めていた。
とりあえず試験のために中澤先生のことはあまり考えないようにしよう。
私も美優に倣って勉強を始めた。
私はふと、『５時半まで勉強しよう。』と考えた。
中澤先生が学校から帰るのが大体６時頃なのだ。
…って今ちょっと先生と遭遇したいって恐い事考えちゃったよ！
…やっぱり先生のことを考えずにはいられない私であった。
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