シュューーーーーーッッ
ガシャンッ
隼人の投げた1球目は高めにすっぽ抜け、バックネットを直撃する大暴投。
先輩達「おいおいどこ投げてんだよ!ノーコン!」
「硬球投げたことねんだろ!」
2球目、今度はホームベース手前でワンバウンド。
隼人「やっべ、(指に)引っかけすぎた、、、」
またも痛烈なヤジが飛ぶ中、仁藤は冷静に隼人を見ていた。
(こいつ、なんて下半身のバネしてやがんだ!?上体があんだけ開いてんのに体重が乗っかって球に勢いがある。)
深呼吸し、気持ちを落ち着かせた後、3球目。
前へ踏み出した左足が着地したあと右足のスネが地面をこする。
ッシューーーーーーッ!
バスーーンッッ!!!
ミットの乾いた音が鳴り響いた。
「ナイスボーールッっ!!」
仁藤「隼人とか言ったな?お前とならいい夢見れそうだぜ。明日から練習着持って来い!」
隼人「はいっ!」
(あーあ、制服のズボン汚しちまった。帰ったらオカンがうるせぇだろなぁ。まあいい、これで野球ができる。)
尾張ヶ丘高野球部
黒沢隼人の誕生である。