「いや、そういう事じゃないんだ。じゃ逆に言うとさ、なんで生きモンは産まれるんだ?どうせ死ぬんだぞ?!」
「あ〜前も確か同じこと言ってたなヒロヤ。でもホント、なんのために命吹き込まれるんだろうな俺たちは。どうせ死ぬってのにな。」
「神様は不思議だー。なに考えてんだか。なんか意味があると思うんだよな。俺たちに命をちょっとだけ与える理由があると思うんだけど。」
「たぶん俺らの考える範疇をこえる、すごい次元の違う世界でなにか意味あるものになってるんじゃない?」
「俺もそう思う。俺たちには、ちっぽけすぎてわかんねえことなんだ。」
「神の領域ってやつ?」
「そんな感じ。」
なんの苦い味もしない透き通った空気がさわやかに通り過ぎた。
「ホントにゆうぱちは嫌な顔をひとつもせずこんなくだらん話をよく聞けるな。高校生っつったらもっと笑える話を好むぞ。
「くだらなくねえよ。おもしろいもん、ヒロヤの話。なかなか深いとこ突いてんなあって。感心する。」
「そっか。ちょっと嬉しい・・・・」