「どのくらい行ってるつもり?」
「わからない。先生には絶対逢いたい。でも、それで終わりにはしたくない。だから、僕は僕なりに今までの経験をいかしてNYで結果をだそうと思うんだ。」
「そっか…なら、応援する。頑張れよ、マジで!!」
僕はNYに行く。涼は『行く前に俺の髪、切ってくれ』と笑いながら言った。
僕は美容師だった。
その仕事を択んだのも、中谷先生の影響だった。
先生は僕の未来をつくり、そして僕の未来に居続ける人。
なんでだろう。運命なんて信じたことないのに、この思いが必然であるみたいにわいてくるんだ。
先生は僕のこと覚えてるかな。あの言葉、忘れてしまったかな。
再会した時、先生の中に僕の居場所はあるのかな。
そして僕は、様々な不安を抱えたまま出発の朝を迎えた。