『遅いなぁ〜…』━━不安になる。もしかしたら、一生隼人に会えないんじゃないか。そんなことを考える。
『ゴメン!遅くなった。』『うん!行こッ。でも、なんで制服?』『工藤(担任)に呼ばれてさ…』『なんだそっか!』━━不安な気持なんて飛んで行く。
『ってか、一緒に来ればいいことだろ?』
『それじゃあ、待ち合わせになんないでしょ!』
『はいはい』
一緒にジェットコースターに乗って、コーヒーカップに乗って、それから観覧車でキスして、プリクラ撮って、ご飯食べて、ゲーセンで遊んで、ソフト食べて、ポップコーン食べて…。
幸せだった。ずっと、こんな感じがいいって思った。
『煙草吸わないの?』『嫌がるじゃん。しかも、制服だし…』『でも、隼人の煙草は好きだから…。』
━━雨?…時間を知らせる様に降り続く。
『明日な。』『カゼ引かない様にね。』"うん"って頷いて、隼人は私から離れて行った。━━あの夢を見てるみたいで怖くなる。『隼人!!また一緒に行こうね。』『おう!待ってろ!連れてってやる。カゼ引くから早く行け!』
あの夢は、ただの夢だって確信した。私の声はちゃんと隼人に届いてる。