天駆ける時間?

ユータ  2006-06-05投稿
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憂希町(ゆうきちょう)ゆううつと希望という字をとって付けられた町。
何気なく過ぎるこの町にカケルはすんでいた。
〜七月半ば、午後6時〜。カケルは学校の用事を終えると、一人帰り道を歩いていた。右に側には公園があり、左側には川が流れていた。
「あれから…二日…なぁ〜んにもなし…かぁ…」カケルは空を眺めながら一人呟いた。太陽は完全に沈み、月が姿を表していた。
「ん?」公園の方に目を配る。夜の暗闇の中で動く影が一つ。ブランコの動く音が聞こえる。
カケルは公園に足を踏み入れた。その瞬間、背筋を悪寒が走った。
目を凝らしてブランコを見た。ブランコを揺らしている正体はサラリーマンだった。
顔がげっそりと痩せ落ちている。目の下には黒々としたクマが出来ている。
「おじさん大丈夫?」カケルは声をかけた。
「私には家族がいる…しかし、本当に愛されているのか…上司は私をゴミ扱い…私は孤独だ…」
「おじさん?」
「不安だ…不安…私は…私は…」サラリーマンはカケルを見つけた。
「うっ…」カケルは一歩後ずさる。その目は既に人間の目ではなかった。
「全て無くなってしまえばいい?」サラリーマンの後ろの闇が公園を包んだ。

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