?夏?その壱
桜も散り、新緑の夏がきた。
あれから、あの娘は現れない!
何だったんだろーと思い、今日も桜並木を通学している。
すると、後ろから、『りゅう』と誰かが呼ぶ。
クラスメイトの虎氏『こうじ』だ。
『こうじ』
りゅう明日から夏休みだけどどうするの?
『りゅう』
ボクは明日からバイトだよ!
『こうじ』
何のバイトするの?
『りゅう』
たこ焼きやさんだよ。
『こうじ』
そうなんだ、たべにいくよ!
そんな、くだらない話をしながら、学校に行く。
式も終わり、家に帰ろうとしたとき、桜並木道にあの娘がいる。
今日は堤防沿いに座り込んでいる。
そっと隣に座り、何も言わず二人座っている。
何か、ドキドキしてきた、何だろうこの胸の高鳴りは?
ふとすると、彼女がいない、何も言わず去っていく彼女の後ろ姿を見ながら、追いかけることもできず、ボクはその場にしばし座り込んでいた。
夏休みに入り、一週間たった時だった。
親方が休憩中、1人でたこ焼を焼いていると、あの娘がこっちに向かってくる!たこ焼屋台を素通りして、親方と何か話している!
『どんな関係何だろう』と思い、黙々とたこ焼を焼く。
親方が休憩が終わり屋台にきた。
よしっ、聞こう。
『りゅう』
親方さっきの娘誰ですか?
『親方』
親戚の娘だよ。夏休み中こっちにきてるんだよ。あいつ、たこ焼焼くのうまいぞ!
『りゅう』
名前は?年は?彼氏はいるんですかね?
『親方』
名前は麗桜『れいら』だよ。年は17だったかな?彼氏はしらねーな!
『りゅう』
そうなんだ!
麗桜か〜良い名前だ!
それから、数日後夏祭りの日屋台の前はごったがえしている。
ふとみると、男二人り組にちょっかいをかけられている娘がいる、よく見ると、あの娘だ!麗桜ちゃんだ!
助けにいかないと、と思い親方に言うと・・・無言で頷いてくれた。
『りゅう』
やめなよ!俺の女に手をだすな!
と言うと男二人は何も言わず去っていった。
『麗桜』
ありがとう
『りゅう』
いいよ、危ないから、屋台の側にいなよ!
『麗桜』
うん・・・
屋台に行くと花火が綺麗に見える。でもボクは花火なんかよりずっと君の事を看ていたい・・・これがボクの初恋のはじまりだ。