たかが1勝の喜び 第6話 緊張のち喜び

こうちゃん  2008-09-04投稿
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女子レスラーの入門によって、道場に花が咲いたように明るくなった。
しかし、言っても格闘技道場、笑ってばかりはいられない。
常に緊迫した雰囲気で馬鹿ばなし等出来る雰囲気では、残念ながらない。
増して、照れ屋の僕には尚更だった。

いつものように、練習はコーチの厳しい声で熱を帯びていた。


〜そんなある日〜
僕は、同レベルの練習生3、4人とスパーリングを行い、もうハァーハァー。
『はあー。ちょっと休もうか』

と、思いきや、コーチが一喝。

『休むのはまだ早い!』
『女子とスパやれ!』相手は、女子の中でも一番強い坂井(仮名)選手
『言っとくがなー、
相手は女子だぞ』

『負けたら恥と思え』
『坂井!遠慮は、いらんぞ』
『ぶっ飛ばしてやれ!』

コーチが勝手に話を進める。

僕は、
『どうしょう』
『負けたら恥やなー』
〜緊張の中、スパ開始〜
僕は、男子と闘うより、必死だった。
余裕等、全くない。

そして、何とか僕優勢で迎えた、残り1分
『駄目だー。スタミナが切れる。』

『早く終われ』
その時、素早いタックルが、僕を襲う。
僕は吹っ飛んで倒された。

『こら!女子にポイント取られとるやないか』

そのまま終了。

しかし、僕達は、互いの戦いをたたえ合って心底がっちり握手した。
『ありがとうございました。』

女子との距離が少し縮まったような気がした。
『緊張のち嬉しい。』だった。

おかあちゃんに報告や。
続く。



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