「ラ、ラウフッ!?そんな言い方…」
「言い方はなんだって一緒だよ。『剣を下さい』って言ってもコイツは同じ反応しただろうよ。」
「俺もラウフと同じ意見だな。」
「ランスまで…」
「いいか、コイツは最初から剣のことを知っていたんだ。なら今更言い繕っても仕方ないだろ。」
「それは…」
「…あなたたちは彼らとは違うのですね。」
突然少女が言った。
「え…。ええ。」
驚き、そう答えた。
少女は三人と向き合う形で正座している。
「私はトーレの村、御神家が頭首、雪と申します。」剣を所有していたのが御神家であることは分かっていたがその頭首がまさかこんな子供とは思わなかった。「我が御神家は代々聖剣を護りし旧家。見たところ、あなたたちは村を襲った連中ともただの興味で、という訳でもない。よろしければ理由を伺いたい。」
三人は顔を見合わせたがここは穏便に済ませるため、今までのことを話して聞かせた。
「…なるほど。【三種の神器】…。」
「なんか知ってんのか?」
雪は頷いた。
「この剣は紛れもなく、あなたたちの探す剣。そして私は…」
一度言葉を切り、そしてまた続けた。
「剣を差し上げる代わり、私も旅に同行させてください。」