ギフト?

ミク  2008-09-05投稿
閲覧数[173] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ニューヨーク マンハッタン


「カズキ!!この絵はどこに置いたらいい?」
「あ、それは入口に近いところ!すぐ目につくようにしたいから」

オシャレなショップが立ち並ぶ中、アートに関心の高い街、ここマンハッタンでは若手の芸術家たちが日々活動している。

中谷架月 31歳。
私もその中の一人だ。

7年前に単身で渡米し、現地の人に日本語を教える仕事をしながらアート活動にとりくんでいる。

小さな頃から絵や写真、オブジェみたいなものをみるのが大好きだった。
自分の中にあるイマジネーションが視覚から聴覚から感じ取ったものと融合され、『無』の状態から『無二』の存在として形を成していく…。そうやって自分の手で具現化されていく様子に、ただ夢中になっていった。

大人になってからもその気持ちは変わらず、私は大学で美術を学びながら教師の資格をとった。

この世界が甘くないことはわかっていたから、いざというときに強みになる『保険』が欲しかったから。
実際、美術教師として1度だけ学校に勤務したことがあったけれど、保険でえらんだ仕事とは言えないくらい、いい経験が出来たと思っている。

そのうちに、留学時代にお世話になったアートスクールの講師から『日本文化をテーマにした作品を作って欲しい』と依頼され、1年足らずで教職を辞めてしまったので、私を覚えている教え子はいないと思うけれど…。

「カズキ!!一応作品は全て運び終わったけど?他にすることはあるかい?」
アーティスト仲間のマット(34)は、金銭的に余裕がない状況を理解し、何かある度に無償で手伝ってくれる。今回も自己負担で個展を開く話をしたら『俺に任せろ!』と、自分が忙しいのにも関わらず手伝ってくれた。

マットは本当に素晴らしい仲間だ。芸術を愛し、情熱的で感受性が高く、つねに前を見てはしっている。芸術家としても人としても尊敬出来る人だ。

「OK!!ありがとう、後は大丈夫。マット、この後の予定は?」
「19時か。特にないし…ホットドックとポップコーンにコーラでもかって、映画でもみようかな」



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ミク 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ