未設定ー29ーキミは誰?カツミとアフターとアユムの世界

未伊子  2008-09-06投稿
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カツミの世界


(うわ〜、ヤバい。)カツミは慌てていた。
ベッドから転げ落ちそうになる。
目が覚めた、時計を見!ると10時を過ぎていた。昨日の、いや今日、今朝のアフターを切り上げて寝たのが何時だっただろうか?記憶にない自分だった。

モノトーンな色に統一されたベッドには脱ぎ捨てたままのスーツ、ネクタイが散乱していた。
いつもの自分の部屋とは幾分、様子が違うコトにカツミは呆れていた。
戦闘服=スーツは脱いで寝たらしい…いつもならこんなだらしないコトはしないのだが、その服の上寝てたのか?
ハンガーに掛ける余裕もなかったらしく、記憶が消えている。
(アフターな美女達とは上手く切り上げた、辺りは覚え…て?)
カツミはあらためて部屋を眺めた。もしかしたら、連れ込み!お持ち帰りというヤツをした?致しちゃったのかも…。
ガラスのローテーブル、オーディオ機器、読みかけの本が数冊隅に積まれたままになっている。そこらは異常ナシ!

カウンターキッチンにもそれらしい人影はない。カツミはホッとした。

ならば、携帯はどこだ!メールしなくては…。
温泉の話を決める!、『未設定さん』に会うために、今日と明日休みを取った、取ったハズだ。その辺の記憶が曖昧で…後でユウトに確認するしかない。

携帯はどこだ?
スーツのポケットやズボンは上から触ってみたが、ない。ベッドから降りると下着姿のまま、辺りを探ってみる。

なくしたのでは?

そう考えるとますます、不安感が増してゆく。アレがないと連絡のつけようがない。
今、自分と彼女とを結ぶ線はクモの糸より細く、いつ切れてもおかしくないモノなのだ、と思うと切なくなる。
もしかしたら返事が届いているかも知れない、淡い希望も…。

とにかく探せ!玄関までの道のりそう遠くは、ないのだか。
ない記憶から探しモノを見つける、苦労をしている。
バスルーム、脱衣場、洗濯機の中、トイレ、洗面台、その下の扉の中、衣装部屋、玄関、げた箱の中、げた箱の上には…。

財布と部屋の鍵、郵便物などが置いてある。
それを見て何故かホッとしていた。部屋に入るまでは、普通な普段の行動をしているようだ。
携帯がない…。
カツミは思い出したように、オーディオ機器の上の固定電話の受話器を取った。今から携帯に電話をかけるのだ。

《ー続くー》

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